アストラゼネカ社製新型コロナワクチンの対象者は?
5月21日新たにモデルナ社とアストラゼネカ社の新型コロナワクチンが承認されました。
モデルナ社製ワクチンは自衛隊の大規模接種会場で採用されていることはご存じかと思いますが、アストラゼネカ社製に関しては「血栓症」というネガティブなレッテルを張られてしまい(普通に患者さんに広く認知されています やはりコロナ関連のニュースは皆さん注目しているのですね)、国の方針としても当面接種見送り、検討する方針になっています。
このアストラゼネカ製ワクチンに関して、感染症専門医の忽那賢志先生のツイッターから記事を参照して紹介したいと思います。
3つの新型コロナワクチンの比較
ツイッターではファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3社のワクチンの比較がされています。(以下を参照)
ファイザー社とモデルナ社製ワクチンはmRNAワクチンであり発症予防効果90%以上と高い有効性を示しておりインフルエンザワクチン同様に重症化を予防する効果もあります。
重篤な副作用としてアナフィラキシーショックがあり、これはmRNAワクチンの成分であるポリエチレングリコール(PEG)が原因と考えられているため、PEGにアレルギーのある方は原則接種できません。
一方、アストラゼネカ製の新型コロナワクチンも2回接種必要で1回目から4-12週あけて2回目を接種します。発症予防効果は70.4%とファイザーやモデルナと比べると見劣りするものの有効との認識で構わないでしょう。(ファイザーとモデルナが半端ない効果ということです)
世界中で蔓延している変異株に対しての効果は、アストラゼネカ製ワクチンは効果が下がるものの、mRNAワクチンである残り2社に関しては多少変異株の影響はあるものの、大きくワクチンの効果が低下することはなさそうとのことです。
さらにアストラゼネカ社のワクチン接種後に血栓症を起こした事例が海外で報告されており、多くが50歳未満の女性との事でした。頻度としてはおよそ10万回に1例程度とされています。
どのような人にアストラゼネカ製ワクチンをうつべきか?
有効性がとても高いファイザーやモデルナ製ワクチンのおかげ?であえてアストラゼネカ製を選択する方は少ないでしょう。血栓症に関しても10万人に1人の頻度で致死率2%の新型コロナが予防できることを考えれば接種する意義はあると考えます。
そんな中であえて接種対象となる方を挙げるとすれば、
- mRNAワクチン接種後にアナフィラキシーを起こした人
- PEG(ポリエチレングリコール)にアレルギーのある人
さらに忽那医師は、
- 薬剤アレルギーのある人
- アナフィラキシーの既往のある人
も相対的にアストラゼネカ製ワクチンの方が他2社のワクチンより安全性が高いとおっしゃっています。
今後の国の検討および方針を注目して待ちたいと思います。
本日は以上です。
(忽那先生のツイッターはこちら)
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