メニュー

院長ブログ

重症骨粗鬆症とは?(2022.06.17更新)

 本日は久しぶりに骨粗鬆症関連のお話になります。大阪も梅雨入りし、ジメジメした天気が続きますね。それでは早速本題に入りましょう。

 高齢者の骨折の多くは骨粗鬆症を伴う脆弱性骨折です。我が国においては人口の高齢化とともに骨粗鬆症患者も年々増加しています。そんな中で骨粗鬆症患者に対して的確な二次骨折予防が行われていなければ骨折の連鎖を断ち切ることができず、再骨折することで健康寿命が短くなりさらには医療費や介護費の増加を招いてしまいます。

 それでも現状においては骨粗鬆症に対する関心や知識は十分とは言えず、社会的にも医療現場においてすら骨折予防対策が十分に周知されているとはいえない状況です。(※1)

 ここ最近では、各地で骨折リエゾンサービス(osteoporosis liaison service:OLS)が立ち上がりメディカルスタッフを中心とした骨粗鬆症治療率、治療継続率の向上を目指した活動を推進しています。

 骨粗鬆症治療の目的は骨折予防であり、薬物療法、運動療法、食事療法の3つが柱となります。その中でも骨粗鬆症治療薬の進歩はめざましいものがあり、骨形成促進薬についてはここ10年において急速に発展してきました。

 主に骨形成促進薬の適応となるのは骨折の危険性の高い骨粗鬆症(重症骨粗鬆症と呼びます)です。

 日本骨代謝学会及び日本骨粗鬆症学会の診断基準を参考にすると、

①骨密度が-2.5SD以下で1個以上の脆弱性骨折を有する

②腰椎骨密度がYAM値60%未満

③既存椎体骨折の数が2個以上

④既存椎体骨折の半定量評価法結果がグレード3

上記に該当する患者が重症骨粗鬆症に当てはまるとされています。

 特にこの中で骨密度の値に関しては腰椎のみに焦点が当てられていることが問題とされています。

その理由としては、普段臨床の現場において今まで骨折歴のない方であっても腰椎骨密度はYAM値60%以上、大腿骨頸部の骨密度がYAM値60%未満の症例をしばしば経験します。つまり上記の基準だとこのような症例は治療に該当しないということになるわけです。もちろん大腿骨近位部のYAM値60%だと大腿骨近位部骨折のリスクが非常に高いわけで、治療せずに放置することは避けなければなりません。

 実際YAM値60%未満では既存脆弱性骨折率が高いという研究結果があります。既存椎体骨折があると新規椎体骨折の発生率が5倍、新規大腿骨近位部骨折の発生率が2.5倍と高くなります。(※2)さらに低骨密度や既存骨折の有無は新規骨折発生と相関が高いことからYAM値60%未満の症例は特に大腿骨近位部の方がその傾向が高いと推察されます。

 腰椎の骨密度だけで骨粗鬆症を評価する事にも問題があります。男性の腰椎の骨密度は女性と比較して閉経による影響もなく、椎体の骨棘などの変性や変形の影響を受けやすく高値になりやすいと考えられます。そのため重症骨粗鬆症を腰椎の骨密度だけで評価するのではなく大腿骨の骨密度も踏まえて評価すべきと言えるでしょう。

 本日は以上となります。お読みいただきありがとうございました。

【参考文献】

Shigeki Sone et al;To consider  cases with a femoral neck young adult mean of less than 60% as osteoporosis with a high risk of fracture-A study  based on the preexisting fragility fracture-.The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.8 No.2 2022.P185-191

※1   Hagino H et al:Recent trends in the incidence and lifetime risk of hip fracture in Tottori Japan .Osteoporos Int 20:543-548,2009

※2   Black DM et al:Prevalent vertebral deformities predict hip fractures and new vertebral deformities but not wrist fractures.J Bone Miner Res 14:821-828,1999

 

[wv_script id='1358']

住之江区の整形外科 医療脱毛 ボトックス注射 内科 外科 小児科 リハビリなら「むつみクリニック」へ是非お越しください。詳しくは診療担当表もご覧ください♪♪

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME