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骨粗鬆症と新型コロナウイルス

[2021.03.29]

本日は骨粗鬆症と新型コロナウイルスの関連についてお話ししたいと思います。

COVID-19は直接的には骨粗鬆症の病態に影響を及ぼすことはありません。ただし、患者さんの通院間隔が延びることで適切なタイミングでの検査ができなくなる可能性があります。その結果、ビタミンD薬投与中の方における高カルシウム血症やそれに伴う急性腎障害の評価が遅れたり、逆にデノスマブなどの薬剤投与中の低カルシウム血症およびその随伴症状などを見逃されたりするケースがあると思います。

リモートでの診察を行う場合は、高カルシウム血症による食思不振や脱水の徴候などを念入りに聴取することが求められます。低カルシウム血症の場合には脱力、しびれなどの症状に注意が必要です。

長期に受診が困難な場合には、患者宅から最寄りの医療機関において必要な検体検査を実施することが望ましいでしょう。骨粗鬆症治療薬を処方している医療機関に検査結果データを送付することで遠隔医療であっても、必要に応じて患者さんへの指示あるいが指導が可能となることが期待されます。

以下に代表的な骨粗鬆症治療薬の注意点を記載します。

①デノスマブ

骨粗鬆症では6か月ごとに投与します。薬の効果が切れると骨吸収の著しい再活性化が生じることがしられているため、適切な時期に投与されないことで多発椎体骨折のリスクが高まります。投与予定時期の延長は極力避けなければいけません。

②ゾレドロン酸

欧州の内分泌学会関連誌にあるCOVID-19蔓延下における内分泌疾患管理の緊急臨床ガイダンスによるとゾレドロン酸の投与は6か月程度までは延期可能とされています。これはゾレドロン酸がビスホスホネート薬であり骨蓄積性があることによるものだからです。

③ロモソズマブ

12か月に及ぶ月1回の医療機関における皮下注が必要となります。すでの治療を開始している場合は可能な限り予定された治療を完遂することを目指します。協力な骨形成、骨吸収作用を併せ持つ薬剤ですが、心疾患の既往をもつ患者さんには適応は原則おすすめしていません。

④テリパラチド

自己注射で投与されている方にとっては長期処方することで治療の継続を促します。テリパラチド週1回皮下注製剤に関しては週2回の自己注射製剤への切り替えも可能となっており通院困難な方に対しては切り替えを検討することが望ましいです。ご自身で投与が困難であっても同居家族が代わりに打つことができれば特に問題になりません。

 

ここ大阪も感染者が再び増加傾向です。

第4波といわれている感染再拡大も視野に入れ日々の診療に従事していきます。

本日は以上です。

(参考文献:竹内靖博;新型コロナウイルス感染症まん延下における骨粗鬆症治療のあり方:The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.7 No.1 2021:107-110)

 

 

 

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