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ボトックスによる美容医療とは?

[2022.02.04]

ボトックス治療の歴史

 ここ最近では、『ボトックス治療』や『ボトックス注射』といった言葉は聞き慣れた方もいるかと思います。美容形成外科分野におけるボツリヌストキシンの使用は1992年の海外で眉間の表情ジワに対する効果が初めて報告されたことに始まります。その後、2002年にアメリカのアラガン社の『ボトックスビスタ®︎』が米国FDAにより眉間のシワ治療に承認されて以来、全世界に急速に普及しています。日本でも2009年1月に『ボトックスビスタ®︎』が美容目的の医薬品として65歳未満の成人における眉間の表情ジワに対して承認され、2016年には目尻の表情ジワに対して追加適用を取得しました。さらに現在では表情筋や顔面筋に作用させる事で顔のエラ張りに対する小顔注射、口唇上部への注射による人中短縮、フェイスライン及び広頚筋への注射によるリフトアップなど応用して用いられています。

ボトックス治療における注意点

 ボトックス治療は美容分野における、いわゆるメスを使う整形、手術と違い、簡便かつ安全な治療法に位置付けられます。最も一般的な有害事象は針を刺すことに関連しています。それでも一過性なものがほとんどです(出血班など)。それ以外に注意すべきものとしては過剰に投与したり、解剖学的に誤った部位に注入することで眉毛や口唇が垂れさがる、笑顔が非対称になる、不自然に表情が固まる、ということが挙げられます。

 こういったことを避けるために顔面における解剖を理解すると共に正確な注入の技術を習得する必要があります。結果として安全かつ効果的な治療を希望する方達に提供できると考えています。

 顔面の解剖は、大きくは似通っていますが、一人一人筋肉のつき方やボリュームが異なっています。そのため注入量も異なってきます。顔面の皮膚は一般的に目の周りや鼻根部は非常に薄く、ほっぺたやアゴの部分は比較的厚くなります。顔面には様々な筋肉が存在し、いわゆる挙上筋と下制筋に分類され、お互い拮抗しながら各方向にバランスを保っています。

症状に応じた治療が可能

 ボトックスによる治療は表情筋によってできるシワを表情筋の動きを軽減させることによって改善させます。繰り返しになりますがシワの深さと程度、表情筋の強さ、注入によって生じる余剰皮膚の量や目的とする筋肉周辺の筋肉や拮抗筋との関係などにより注入ポイントや注入量は異なってきます。そのため他の治療と同じく治療前評価を十分に行うことが大切です。これは私が勤務医時代に培ってきた各手術症例に対しての術前評価と通じるものがあります。

 例えばシワの一番の原因となっている頻繁に使う筋肉には多くの量を注入する一方で、あまり使われない筋肉に対しては少量注入するか、注入しないという選択肢があります。さらに筋肉の深さや形態によっても注入は異なります。皮下の浅い部位に対しては皮内注射により皮下の浅層で浸潤させることで効果を期待する一方で、鼻根筋や鄒眉筋など深い部位に対しては深部に存在する筋膜に対して注入します。

 治療計画を立てる際には患者の年齢や性別、皮膚などの外見に関する要素も考慮することが重要となります。

どんな治療が可能か?

 それでは一般的に美容医療、美容クリニックなどで提供されているメニューはどんなものがあり、ボトックス注射(シワとり注射)によってどんな効果が期待できるのか簡潔に説明します。

  • 眉間のシワ 
  • ほうれい線(鼻唇溝)

ボトックス治療で最も人気のある部位の1つです。ほうれい線に対する有効な治療はヒアルロン酸なども用いられていますがボトックスも適応となります。特に比較的若年で鼻唇溝外側の軟部組織が盛り上がって筋肉の収縮が強い場合には良い適応となります。

  • ガミースマイル

ガミースマイルとは、笑った時に歯茎(歯肉)が極端に見える状態のことを指します。鼻翼外側の鼻唇溝が最も盛り上がった部位にボトックスを注入することで治療します。

  • バニーライン
  • 目尻、下まぶたのシワ

笑ったり、目を細めたりする時に目の周りの筋肉(眼輪筋)が収縮することで生じるシワを指します。注意点としては加齢と共に目立ってくるシワに対してはボトックスによる治療効果は得られにくいです。

  • アゴのシワ(梅干しジワ)

アゴにできる凸凹のシワは通称「梅干しジワ」と呼びます。これはオトガイ筋の過緊張に由来します。ボトックスを注入することで下顎の筋緊張が取れリラックスした印象になります。

  • リップフリップ

口唇の周りに注入することで唇が外転し薄い唇をふっくらと見せることができます。また擬似的に厚みが増加するように見せることができます。さらに人中(鼻と唇の距離)が短くなる効果もありヒアルロン酸注入と組み合わすこともあります。

  • 口角挙上
  • 咬筋肥大(エラボトックス)

咬筋肥大(エラ肥大)が起こりやすいアジア人に人気の治療であり、日本においてもその傾向があります。また歯ぎしりや食いしばりなどによる顎関節症の悪化予防、歯牙の欠損、摩耗も予防できます。美容目的だけでなく健康面においても治療が推奨される部位となります。そんな中でも最も期待される効果が小顔効果であり、ほとんどの方がこの効果を希望されますが、あまりに注入量が多いと頬がコケてしまうため注入量や注入部位(上すぎない)に注意が必要です。

  • ボトックスリフト

ボトックスを極少量細かく注入する治療で顔面の細かいシワの改善や皮膚のタイトニング(引き締め)や肌のキメの改善を得ることができます。さらにホホの下から広頚筋にかけて注入します。そうすることで顔を下方に下げる働きを持つ広頚筋の収縮をおさえ、挙上させる働きを持つ頬骨筋と協調させることによってフェイスラインのリフトアップ効果が期待できます。(※1)

 

いかがでしたでしょうか?

今まで整形外科領域において神経ブロックや関節注射、硬膜外ブロックなど多種多様な手技を行なってきました。今回新たな美容医療の導入にあたりボトックス治療も当院で取り入れます。(ボトックスの施術資格も得ることができました)

上記で希望するメニューがありましたらぜひご利用ください。

今春頃の開始を予定しております。

本日は以上となります。

むつみクリニック 院長

【参考文献】

(※)ボツリヌストキシンによる美容医療総論 古山 登隆;PEPARS No.170:1-10,2021

(※1)Chang,S.P.,et al.:The wrinkles soothing effect on the middle and lower face by intradermal injection of botulinum toxin type A.Int J Dermatol.47:1287-1294,2008.

むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来

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