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中高年女性における姿勢とロコモティブシンドロームの関係

[2021.03.19]

 

日本の総人口は減少していますが、65歳以上の高齢者は増加しています。また高齢化率は過去最多とも言われています。みなさんもご存知のように超高齢化が進行しており、医療や介護を必要とする高齢者も今後増え続けることが見込まれます。

要介護状態に陥る主要な原因としては転倒や骨折が上位を占めています。(他に脳血管障害があります)そのため高齢者の運動器に対する対策は避けて通れない問題です。

転倒や骨折のリスク因子にはロコモティブシンドロームや骨粗鬆症などが含まれます。骨粗鬆症に関しては骨折などをきっかけとして通院したり検査で偶発的に発見したりする一方、知らない間に進行したり(いつの間にか骨折などとも呼ばれます)します。

ある報告ではロコモの該当者の約60%は骨粗鬆症の疑いがあるとし、また別の報告では加齢に伴う身長低下が進行するにつれてロコモの該当率が高いと報告しています。ロコモと骨粗鬆症が関連していることは周知の事実でありロコモは身体や運動機能の低下や転倒と関連があると報告されています。

一旦骨粗鬆症による骨折によって運動機能の低下や姿勢の変化に悪影響が加わると、さらに移動能力の低下につながり骨粗鬆症の増悪や転倒による骨折を繰り返しロコモを悪化させる負のループに陥ります。

ロコモも骨粗鬆症も知らない間に進行するという特徴を持っているため早期発見および早期介入が必要で、そのためにスクリーニングとなる身体的な変化として脊柱後弯姿勢j評価である後頭骨-壁間距離(OWD;occipital wall distance)に着目した文献があります。

これは胸椎レベルの椎体骨折の検出に特に有用とされていて、対象者を壁際に立たせた時に壁に後頭骨が付けられないと骨折リスクが高いと言われています。(イラスト参照)

このように、ロコモや骨粗鬆症に関わる身体的な変化は自覚症状がほとんどなく気付きにくい特徴を持っています。運動器の障害をより早期に発見し予防的な介入を行うために上記で述べたようなスクリーニングを広く啓蒙、行うことが重要と考えます。

本日は以上となります。

お読みいただきありがとうございました。

(参考文献;地域在住の中高年女性における姿勢とロコモティブシンドロームの関係-簡易脊柱後弯姿勢評価を用いて-藤生ら;The Journal of Japan Oeteoporosis Society Vol.7 No.1 2021)

むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来

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