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骨粗鬆症(骨粗しょう症)と運動との関連について

[2022.12.11]

 骨粗鬆症(骨粗しょう症)の予防と改善には、定期的な身体活動が重要で、男女ともに高齢期の骨の健康に有益な効果があることが示されています。特に骨に対して荷重負荷が加わるようなトレーニングは、長期的な骨格の健康のために有用であることが知られています。運動による健康増進効果は骨の器質的な部分に留まらず、運動機能やパフォーマンスまで多岐にわたることも知られています。

 一方で、近年のコロナ禍における運動不足が問題となり精神的なストレスだけでなく身体機能への影響が報告されており特に、高齢者において運動不足により身体機能が衰えることは転倒リスクが増加し骨折へとつながることが懸念されます。閉経後女性だけでなく男性における運動介入の効果について検討した論文をまとめた文献を参考に、骨折あるいは骨粗鬆症(骨粗しょう症)に対する運動療法についてお話ししていきたいと思います。

定期的な運動は閉経後女性の骨粗鬆症(骨粗しょう症)のリスクを減少させる

Chang CF,et al:Regular exercise decreases the risk of osteoporosis in postmenopausal women.Front Public Health 10:897363,2022

閉経後女性30046名を対象に定期的な運動と骨粗鬆症(骨粗しょう症)の有病率と関連性を検討し、56%が定期的に運動しているグループに当てはまりました。定期的な運動とは週3回以上、1回10分以上、ウォーキング、ランニング、ボクシング、ダンスなどのスポーツを指しています。この研究の結果は以下になりました。

  • 骨粗鬆症は運動なし群14.2%、定期的な運動群13.4%で観察された。
  •  定期的に運動している閉経後女性群では、運動していない群と比較して骨粗鬆症リスクが低かった。
  • 運動時間が長い女性(運動1時間以上)は、運動なし(運動1時間未満)と比較して骨粗鬆症(骨粗しょう症)のリスクが低かった。

つまり骨粗鬆症の発症リスクは、定期的に運動している女性の方が運動していない女性よりも有意に低く、運動時間が長い女性(運動時間1時間以上)は運動なしと比較して有意に低かったことがわかります。骨粗鬆症(骨粗しょう症)発症までの時間も、定期的な運動のある女性の方が、定期的な運動のない女性よりも有意に長いという結果となっています。

運動が男性の骨密度に及ぼす影響

Blair RH,et al:The effects of exercise on bone mineral density in men:a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.Calcif Tissue Int 110:41-56.2022

これは18歳以上の男性を対象として大腿骨頚部と腰椎の骨密度に対する運動の効果を検討した研究となります。結果は以下になりました。

  • 大腿骨頚部の骨密度の改善や維持には、地面または関節の反力を利用した運動に効果が見られた。
  • 運動による腰椎への骨密度への効果は他の文献と異なり認められなかった。

つまり男性における下肢運動が大腿骨頚部の骨密度に有益であるというエビデンスを支持するものでした。しかしながら腰椎の骨密度に対する効果について他のメタ解析と異なっていました。その理由として本研究で選択された運動は主に下肢の運動であり、腰椎の骨密度に対して効果を引き起こすのに不十分であることが挙げられます。

身体運動と転倒予防

Caristia S,et al:Physical exercise and fall prevention:a systematic review and meta-analysis of experimental studies included in Cochrane reviews.Geriatr Nurs 42:1275-1286,2021

  • 立体的な運動(太極拳、気功、ダンス)、筋力抵抗運動、混合運動(バランス運動と筋力抵抗運動の組み合わせ)は転倒リスク及び転倒者の減少に有効だった
  • 歩行やバランスコーディネーション運動といった単一種類の運動では効果を示さなかった

運動の種類別にメタ解析を行なった結果、ほぼ全ての運動介入は転倒率の減少に有効であり、立体的な運動、筋力抵抗運動、混合運動で大きな効果がありました。その一方で転倒による骨折は全ての運動で減少したが単独運動での統計的に有意な骨折予防効果は得られませんでした。運動の種類別に見ると最も効果があったのは立体的な運動であり次いで筋力抵抗運動、マルチコンポーネント運動、混合運動となりました。混合運動と筋力抵抗運動を比較した場合、週あたりの運動時間が150分以上のグループとそれよりも短いグループを比較すると特に大きな違いが認められました。

まとめ

  1. 定期的に1時間以上運動している閉経後女性は運動していない群と比較して骨粗鬆症のリスクが低い
  2. 地面または関節の反力を利用した運動は、大腿骨頚部の骨密度への効果は示されたが、腰椎の骨密度への効果へは不十分な可能性がある
  3. 週150分未満の3次元の運動方向の運動(太極拳、気功、ダンスなど)は転倒リスクおよび転倒者の減少に効果があった

今回のまとめは以上となります。

お読みいただきありがとうございました。

(参考文献)藤田 博暁他:運動の分野でトピックとなっている論文のレビュー.The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.8 No.4 123-126,2022

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