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ステロイド性骨粗鬆症への治療介入の重要性

[2021.09.09]

最近はコロナ関連のブログ記事が多かったのですが久しぶりに整形外科関連の話題になります。

ステロイド性骨粗鬆症とは

ステロイド性骨粗鬆症(Glucocorticoid-induced Osteoporosis;GIO)はグルココルチコイド(ステロイド)の投与により生じる続発性骨粗鬆症の事を指します。患者はお年寄りから若い人まで男女を問わず、更には骨密度が低下していなくても生じるため注意が必要です。

ステロイド性骨粗鬆症(GIO)の最大のリスク

ステロイドはご存知のように多種多様な疾患で幅広く用いられています。

最大のリスクは骨折です。ステロイドの1日投与量が多いほど椎体、大腿骨近位部、非椎体の骨折リスクは上昇するという研究結果があり、更に投与開始3ヶ月という早期からリスクが上昇すると言われています。

ステロイドは強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持ちます。有効性も高いため呼吸器疾患、消化器および肝疾患、血液疾患、リウマチ性疾患、膠原病、神経疾患などに用いられています。

しかしながらGIOについては、高容量を処方する機会の多い膠原病内科などを除き医師の間でも認知されているとは言い難い状態です。

骨折は生命予後の悪化につながる

ステロイドの有害事象には感染症、消化管障害、白内障などがありますが最も高頻度に発生するのが骨折です。さらには部位に限らず、あらゆる場所の骨折で生命予後が悪化するとの報告もあります。(注1)

骨粗鬆症といえば女性というイメージがありますが、GIOに関しては男性にも多く認められます。例えば以前にも述べたCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの男性患者に対するGIOの治療介入は少なく、その背景には男性は骨粗鬆症になりにくいという事実があるのではと考えられています。

早期発見が治療介入の早期介入ともたらす

GIOで比率が高い無症候性の脆弱性椎体骨折はレントゲンを撮影しなければ見つかりません。腰痛は背部痛がないからといってGIOに治療介入することなく漫然とステロイド投与を続ければ、知らないうちに骨折を起こし死亡リスクを高めます。ステロイドの有効性を最大限に活かすためにも様々な診療科でGIOの存在に注意しつつ必要とあれば積極的な治療介入が望まれると言えるでしょう。

本日は以上になります。

参考文献 ステロイド性骨粗鬆症への治療介入の重要性と薬剤選択(ガイドライン改訂を見据えて)

(注1)Chen W,et al.J Bone Miner Res 2018;33(5):795-802

 

むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来

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