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ロコモ予防と歯・口腔内環境の関連

[2020.12.25]

フレイル対策の三つの柱として

①栄養(食・口腔機能)

②身体活動(運動・社会活動)

③社会参加(勤労・余暇活動・ボランティア)

があります。これら三つの柱がお互いに影響することで早期からのフレイル・サルコペニアの予防が可能になります。

歯科領域では1989年から「8020運動」といって、80歳になっても20本以上の自分の歯を保とう、と運動を推進してきました。

8020達成者は運動開始時の8.2%から2016年には51.2%まで増加し開始30年で6倍に達しています。(厚生労働省;平成28年度歯科疾患実態調査)

その8020から発展し、現在は歯の本数だけでなく機能面にも着目したオーラルフレイルという概念が生まれました

オーラルフレイルは身体の機能の衰えの一つであり、たとえば

滑舌の低下、食べこぼし、わずかなムセ、噛めない食品の増加、口腔内乾燥

などの症状を指します。これらに早期に気づき適切な対応をすることで健康状態を維持することができると言われています。

 

咀嚼機能が大事

咀嚼(噛むこと)と全身の関連性については義歯未装着者は装着者より1.5倍死亡率が高いという報告や歯がなく義歯節不使用者の方が転倒リスクが高いという報告もあります。

さらに咀嚼機能とサルコペニアの関連性については、東京都板橋区の地域在住高齢者761名を対象とした調査で咀嚼機能は年齢・BMIと並んでサルコペニアの独立したリスク因子であることが示されています。

さらに十分な咀嚼能力を持つことが健康余命の延伸につながることが明らかにされています。

咀嚼機能の低下が全身に及ぼす影響は、以下のように表されます。

低栄養→筋肉量低下→基礎代謝低下→エネルギー消費量減少→食欲低下→低栄養→筋肉量低下→、、、

と負のループに陥ってしまいます。

そのため容易にサルコペニア、要介護状態へ移行しやすくなります。何としてもこのループを抜け出さなければなりません。

今日からできる事として一日中30回以上噛むことが推奨されています。

骨粗鬆症と歯科の関わり

歯周病は骨粗鬆症とのお互いに悪循環を形成するため、医療機関と歯科医療機関が連携して悪循環を断ち切る必要があります。詳細は別のお話で触れますが、実際、私の患者様でも骨粗鬆症治療を行いつつ歯科口腔環境を定期的にチェックするようアドバイスさせて頂いています。

まとめますと口腔内の健康は、つまり全身の健康にもつながる、という事を知っておいてもらいたいです。

本日は以上になります。

(参考文献;中高年期の栄養にかかわる歯・口腔の健康の重要性;山﨑裕.The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.6 No.1 2020)

【お知らせ】

12月26日(土)

12月28日(月)午前

私が整形外科診療を行います。また来年1月以降は毎日整形外科診療を受け付けています。もちろんワクチン接種も可能です。電話予約で受け付けていますのでご利用ください。

また診療日の変更があれば当ブログでお知らせいたします。

むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来

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