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変形性膝関節症について

[2020.11.02]

本日は変形性膝関節症についてお話ししたいと思います。あまり学術的な用語などを使用せずにわかりやすくお伝えできるよう説明できればと思っていますので是非読んでみてください。

症状

この疾患は非常に日常診療で遭遇する確率が高く、日々困ってらっしゃる患者様も多いと思います。

一般的には膝の痛み(特に内側)の訴えで来院される方が多いです。他には膝の腫れ、熱感、階段の登り下りがつらい等があります。外見上は膝の内側の関節裂隙(関節のすきま)が狭くなるため進行するとO脚(内反膝)になってきます。

正常であれば重心は膝の中心にくるのですが、O脚が進行すると重心が内側に移動します。さらに体重増加や膝への負荷(重たいものを運ぶ、長時間の正座、繰り返してしゃがんだりする、ジャンプ)などで疼痛が悪化する事があります。

また、頻度は少なくなりますが、O脚とは反対に、外側の関節のすきまが狭くなってくるX脚(外反膝)になる方もおられます。

検査

基本的にはレントゲン撮影を行います。2方向(正面、側面)を取りますが、場合により立位(体重がかかった状態)でのレントゲンも見て関節裂隙の狭くなっている程度、側方動揺性(横にずれているか)、石灰化(炎症性の疾患などの可能性の有無)などを評価します。

必要があればCT、MRIなどを追加し骨折や壊死(組織が死ぬこと)、感染、腫瘍性の疾患(良性も悪性もあります)なども考慮しますが真っ先にする検査となることは少ないです。

(※これに関しては個々の患者さんにより、また担当医により検討項目が変わります)

治療

①減量

膝には体重の85%がかかると言われています。思い当たる方はまず取り組んで見ましょう。食生活、運動などを通じて摂取カロリーが消費カロリーを超えなければ体重は減っていきます。間食は少なくとも回数を減らすか取らない事が理想です。

②大腿四頭筋訓練

太ももの前方の筋力強化を目指します。これにより膝の安定性、膝への負荷を軽減し疼痛の緩和を目指します。

③杖の使用

体重を分散し膝への負担を減らします。原則として杖は健側(痛くない膝側)に持ちます。

④サポーター、インソール

⑤関節注射

高分子のヒアルロン酸を関節の中に投与し、炎症の抑制、疼痛の軽減を目的とします。また、疼痛がかなり強い時にはステロイドを関節内に投与することもあります。(回数や持病、感染リスクなどを総合的に判断した上で)

⑥内服

痛み止めのことを指します。ただロキソニン、アセトアミノフェンなどが一般的に知られていますが、現在はそれ以外にも膝痛に対する薬は多岐に渡ります。患者様個々によって相性もあるので薬が効かない、と思い込むのではなく担当医に相談して処方を調整する事も重要です。

⑦再生治療(PRP療法、幹細胞治療)

これは現在限られた施設でしか行っていない上に自費診療となります。自身の細胞や組織を素に抽出、培養したものを関節内に注入する治療です。プロスポーツ選手が行ったりしている事で注目されています。

⑧手術

上記全てで経過がよくなかったり、日常生活に支障を来たし手術を検討される方に行うのが人工膝関節置換術となります。

と、ここまで色々書いてきましたが、上記で特に大事なのは、

①および②

です。これは病院に通う事なく自身で対応できる事です。コツコツ行う意識改革が必要なだけに断念される方も多いかと思いますが、これを読んで少しでも多くの方が前向きに取り組んでいただければ幸いです。

本日は以上です。

むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来

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