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膝の痛み 早期変形性膝関節症について 続き

[2020.12.21]

本日は昨日の話の続きになります。膝痛の原因のうち単純X線ではあきらかでない場合に、早期変形性膝関節症(早期OA)の可能性があるとお伝えしました。今回は治療法についてお話します。

初期変形性膝関節症における一般的な治療は

非薬物療法としては、患者教育と運動療法が推奨されています。

患者教育とは何を指すのかというと、膝OAという疾患の発症リスクや進行過程、対策法について自ら知ってもらうことです。(病識に対する理解とも言います)

運動療法とは、特に膝周囲の筋力訓練(主に太ももの前の筋肉=大腿四頭筋)が有効です。膝OAの発症や進行に膝周囲の筋力低下の関与が指摘されていて、加齢による筋力低下を筋力強化で抑え筋力を維持していく事が症状の進行抑制につながります。

体重も膝への負荷に大きく関与しているため肥満の方では減量することも需要です。

次に薬物療法ですが、膝OAの痛みは滑膜の炎症に起因し主に用いられるや薬剤はNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)やヒアルロン酸の関節内注射などの抗炎症作用を有する治療が推奨されます。

まとめると膝OAの治療とは

  • 患者さん自らが疾患への理解を深める
  • まずは運動療法、減量 そして疼痛強ければ薬物療法も行う

ということになります。

上記が一般的な膝OAの治療になります。

では、それよりも早い段階での早期OAへの治療介入はどのようにすれば良いのでしょうか?

早期膝OAへの治療法は?

進行抑制のためには可能な限り膝にかかる力を分散化する事が重要です。

下肢筋力の強化は膝関節を安定化させ、膝へかかる応力を分散化させます。

足底板や杖の使用も同様です。薬物療法としてNSAIDsの内服は抗炎症作用および疼痛軽減作用をもたらしますが、膝の応力分散化には貢献しません。

そこでヒアルロン酸の関節内注射が重要な役割を果たします。

ヒアルロン酸による早期膝OA治療

ヒアルロン酸は、もともと人間の体にある水分保持機能を有する成分です。膝OAで水分保持機能が低下し、膝の応力が集中化しやすい状態にヒアルロン酸関節内注射で関節内の衝撃吸収作用を補うことは理にかなっており、それに加えて軟骨の変性を抑制する効果や、滑膜の炎症を抑制する効果が示されています。

今では、美容外科の領域で顎先、唇、皺とりなどでヒアルロン酸注射を打つことが当たり前になっています。芸能人の方はほとんどやってるんじゃないかって思うくらいですね。一般の方にも利用される方はかなり広がっている印象です。

そのため「ヒアルロン酸」という用語には慣れ親しんでいる人は多いでしょう。

話が逸れましたが、早期膝OAに対しヒアルロン酸を用いることで将来的な関節症性変化を遅らせる、つまり健康寿命を延伸することにつながることが期待されています。

このように早期OAの治療には患者さん自身の病識を向上し、運動療法、減量、薬物療法(ヒアルロン酸含む)を組みあわせる事が大切です。

当クリニックにおいても膝の治療が可能です。

気になる方はいつでもお気軽にご相談ください。

本日は以上です。

 

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むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来

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