骨折編① 手首の骨折
本日は骨折の治療に関するお話になります。今後代表的な骨折に関してブログで述べていけたらと思います。
1回目は手関節つまり手首の骨折になります。正式な名称は橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)と言います。
これは非常に日常診療でよく遭遇する骨折の一つで、よくある受傷機転としては、
転んで手をついた、落ちた時に手をついた
という場合が大半を占めます。
手関節の痛み、腫れ、動かせない、変形しているという症状で来院される方がほとんどです。中には受傷した当日でなく、数日間過ごして痛みが引かないため受診される方もいます(びっくりしますね、、)
高齢者(特に女性)が多いのですが公園の遊具から落ちたり部活中に転倒したり老若男女が受傷する可能性を持っています。
だいたい受傷機転と疼痛部位を合わせて判断すればレントゲンを撮る前に予想はつくのですが、実際はレントゲンを撮って確定診断に至ります。
治療
基本的には外固定(ギプスや副子固定)となりますが、転位(要はズレ)が大きい場合は手術となる場合もあります。診察時に手指の運動機能、感覚もチェックします。神経や血管系の障害を疑う場合は要注意です。
整形外科では手術の適応は曖昧な場合もあり、個々の患者背景によっても異なります。ギプスを早く外したい、社会復帰を早くしたい、等の理由で外科的治療を選択する事も実際あります。
保存治療(外固定での治療)となるとしっかりとした固定ならギプスになります。特に骨折を整復した後に整復位を維持するためならギプス治療は必須と言えるでしょう。安定型の骨折でズレる心配が少なかったり、腫れが強すぎてギプスを巻くことでの血流障害が予想される場合は板など(シーネと呼びます)を用いた固定を行います。
ただ残念ながら経過中、レントゲンでどんどんズレてきていることが分れば外科的治療(手術)に切り替わるケースもあります。
手術方法については金属プレートによる固定やピンによる固定などがあります。
補足ですが、前腕には2本の骨があり、親指側を橈骨(とうこつ)、小指側を尺骨(しゃっこつ)と呼びます。尺骨も一緒に折れる場合があるのですが、一般的には治療せず経過観察となる場合が多いです。
避けられない受傷機転はどうしようもないですが、
- 常日頃から転倒しないように意識しておく事
- 手をついても折れないよう骨を丈夫にしておく事
が重要です!
本日は以上です。
【お知らせ】
11月21日(土)12月5日(土)12月19日(土)に私が整形外科診療を行います。もちろんインフルエンザワクチン接種も可能です。電話予約で受け付けていますのでご利用ください。
また診療日の変更があれば当ブログでお知らせいたします。
むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来
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