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新型コロナウイルス禍においても骨粗鬆症および慢性疾患の治療は継続が重要です

[2022.03.30]

コロナ感染者数の減少が鈍化しています。もはやコロナ禍での生活が日常化しているため、うまく適応した生活を送っていくことが重要です。医療界においても今まで当たり前とされてきた対面診療、現地参加による学会活動などが見直され、オンライン診療システムの普及、進化、WEB開催での学会参加がしきりに行われています。

各種疾患の治療においても、患者さんの通院頻度の減少、定期受診の回避、外出を避ける行為などにより疾患コントロールの難しさが改めて浮き彫りとなっています。
慢性疾患の患者さんのとっては治療を継続することが非常に重要です。従来の治療を継続できる場合は問題ありませんが、患者さんが医療機関を受診できない、あるいは受診頻度を減らしたいと望まれる場合があります。
そのような場合、従来の頻度で医療機関を受診できない患者さんにおいて治療を継続するための薬剤選択(場合により投与間隔の長い薬剤に変更する、など)を考えなければなりません。

そんな中当院で主に担当している骨粗鬆症についての学会からの提言が発表されましたので共有したいと思います。

【日本骨粗鬆症学会、日本骨粗鬆症学会からのCOVID-19と骨粗鬆症に関する提言】

  1. 十分な栄養と適切な運動は、骨量維持や筋肉量の減少防止に必要です。人との距離を確保しながらできるだけ以前と同等以上の運動量を維持する事が大切です。
  2. ビスホスホネート製剤以外の骨粗鬆症治療薬の効果は、治療中止後数か月以内に消失するため、基本的に骨粗鬆症患者さんにおいては治療の継続が必須となります。
  3. 既に経口薬や自己注射による治療を受けている方に対しては治療を中止することなく継続することが重要です。状態が安定している場合にはオンライン、電話による診療での処方を検討ください。

 上記に対する補足となりますが、COVID-19のパンデミックのような非常事態下においても骨粗鬆症の治療継続は重要となります。もちろん高血圧や糖尿病、高脂血症(脂質異常症)などの慢性疾患も同様です。患者さんが通院できない、もしくは受診頻度の減少を希望される場合は、治療を継続することを第一に考え、患者さんの状況に適した薬剤を選択することが可能です。

一般的に骨粗鬆症治療において最もよく用いられているであろうビスホスホネート製剤は骨への蓄積性を有していることから災害など予期せぬ事態が生じても一定期間は骨吸収作用が持続することが利点として挙げられます。反対にビスホスホネート製剤以外の骨粗鬆症治療薬の効果は、休薬後数か月以内に消失します。

 骨粗鬆症治療ではバランスのよい食事と適度な運動によって骨量や筋肉量を維持する事も大切となります。特にビタミンDが不足あるいは欠乏している高齢患者さんはソーシャルディスタンスを確保したうえで、日光浴を兼ねた屋外活動をおすすめします。

【参考資料】 新型コロナウイルス禍における骨粗鬆治療 監修 虎ノ門病院 副院長 竹内 靖博先生

 

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むつみクリニック院長

 

むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来

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