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骨折編④膝蓋骨の骨折

[2021.02.05]

本日は久しぶりに骨折のお話です。

膝蓋骨といえば、俗にいう膝のお皿のことです。

頻度としては、外来をしていてたまに来られるという印象です。そもそも膝蓋骨は近位側(つまり頭側)が大腿四頭筋、遠位側(足の方)が膝蓋腱

に連結しています。主には膝を屈伸することで膝蓋骨が大腿骨膝蓋滑車溝をスライドし、安定した軌道と大腿四頭筋のレバーアームとして働きます。

受傷機転

受傷機転は転倒時に直接膝をぶつける場合(直達外力と言います)と、大腿四頭筋が収縮し、膝関節が強制屈曲される場合(介達外力と言います)に分けられます。

治療

・保存的治療

骨折の転位(ズレ)が小さい場合は保存治療が選択されます。一般的な基準としてはレントゲンで転位が3mm以内と言われています(教科書的には)

また膝蓋骨骨折を起こすと急性期であれば膝前方が腫れることが多く、関節穿刺といって膝関節の上外側から針を刺し血を抜きます。

私は当日ニーブレースという取り外し可能な装具をつけることが多いです。

なんらかの固定を行い腫れが引けばギプス治療を行うのが教科書通りですが、転位のおそれが低ければギプスは作成しないこともよくあります。その代わりに週に1回きてレントゲンチェックを行います。

・手術治療

手術の目標は膝伸展機構の修復です。

具体的な手術の方法は省略しますが、一般的にはtension band wiring(締結固定方)を行います。他には金属製のワイヤーを膝蓋骨の周りにぐるっと巻きつける方法やスクリューを併用したり単独で用いたりする方法などもあります。

   

(一般社団法人 骨折治療学会ホームページより転載)

リハビリ

術後の固定性によって膝屈伸の開始時期などが異なる場合もありますが、一般的には膝伸展位での荷重は早期より可能です。膝折れに伴う骨折部の破綻、再転位を防ぐには術後早期には先ほど述べた外固定、装具なども用いる場合もあります。

大腿四頭筋訓練は早期には等尺性運動を行い、徐々に等張性運動、可動域訓練を行います。

 

久しぶりの骨折各論の記事でした。

また少しづつ疾患説明のお話も織り交ぜていけたらと思います。

本日は以上となります。

むつみクリニック 整形外科・骨粗鬆症専門外来

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