膝の痛み

膝の痛みから考えられる疾患

変形性膝関節症

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が摩耗し、骨と骨が直接擦れ合うことで炎症や痛みが生じる疾患です。動作時の痛みや腫れ、可動域制限、歩行時の違和感から始まり、進行すると安静時にも痛みを感じるようになります。主な原因は加齢による関節の変性ですが、肥満や過度の運動、外傷なども関与します。

半月板損傷

半月板損傷は、膝関節内でクッションの役割を果たす半月板が損傷した状態です。主にスポーツ時などの急激なひねりや衝撃によって、膝関節に大きな負荷がかかることで起こります。膝の痛みや腫れ、関節のひっかかり感、可動域制限などの症状が特徴です。

前十字靱帯損傷

前十字靱帯損傷は、膝関節の安定性を保つ重要な靱帯である前十字靱帯が断裂した状態です。急激な方向転換や着地時の衝撃などで起こりやすく、スポーツ時の受傷が多いです。強い膝の痛みや腫れ、不安定感などが主な症状で、受傷後に適切な処置が行われなければ、スポーツ復帰率にも影響することがあります。

感染性膝関節炎(化膿性膝関節炎)

感染性膝関節炎は、細菌感染により膝関節内に炎症が生じる疾患です。激しい膝の痛みや腫れ、発熱、全身倦怠感などの症状が特徴で、感染性関節炎の中でも特に多く見られます。何らかの経路で膝関節へ細菌が侵入することで起こり、膝の手術後の感染や血行性感染などが主な原因となります。

感染性膝関節炎のうち、患部に化膿を起こしたものを化膿性膝関節炎と言います。急激に進行するのが特徴で、関節軟骨の破壊によって重篤な関節障害が残る可能性があるので、早期の治療が必要となります。

オスグッド病

オスグッド病は、成長期の子どもに多く見られる膝の疾患です。膝蓋骨の下部にある脛骨粗面という部分に炎症が生じ、痛みや腫れが現れます。成長期の急激な身長の伸びや過度のスポーツ活動が主な原因とされています。

膝を使う動作で痛みが増強し、安静で軽減する特徴がありますので、適切な休養と物理療法によって治療を進めます。治療によってスポーツ活動のスケジュールに影響が出ないように、医師と相談しながら治療を進める必要があります。

O脚・X脚

O脚は膝が外側に、X脚は内側に湾曲した状態を指します。軽度の場合は問題ないことも多いですが、重度になると歩行障害や関節への負担増加につながる可能性があります。原因としては、先天性のものや、成長期の姿勢、栄養状態、運動不足などが関与します。

経過観察で問題ないケースも多いですが、湾曲の程度によっては装具療法や手術療法を検討することもあります。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは、膝の皿(膝蓋骨)が正常な位置から外れた状態を指します。外傷による衝撃や先天的な要因などが原因となり、脱臼時の激痛や腫れ、その後の膝の不安定感や痛みなどが主な症状です。

初回脱臼後は再発のリスクが高まるため、適切な治療と予防策が重要です。重症例では手術が必要となることもあります。

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