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捻挫とは?
捻挫は、関節周囲の靭帯が過度に伸展、または断裂することで生じる軟部組織の損傷です。靭帯は関節の安定性を保つ重要な役割を担っており、不自然な動きや過度の力が加わることで損傷します。
スポーツ活動中や日常生活中に不意に受傷することが多く、損傷の範囲によって治療法や回復期間が異なります。
捻挫による症状
- 痛み:受傷直後から鋭い痛みを感じます
- 腫れ:組織の損傷によって炎症が生じ、損傷部位周辺が腫脹します
- 可動域制限:痛みや腫れによって関節の動きが制限されることがあります
- 内出血:重度の捻挫の場合、皮下出血が見られることがあります など
※上記のいずれかが強く現れている場合は、骨折を伴っている可能性もあります
捻挫の原因
- スポーツ中の急激な方向転換や跳躍動作
- 不整地での転倒
- 足のもつれ、踏み外し(特にヒールを履いている方)
- 着地時の衝撃 など
捻挫の治療
保存療法
緊急の対応が必要なほどの重症例の場合を除き、捻挫の治療では保存療法が基本となります。捻挫による患部の炎症や痛みを和らげつつ、安定性を確保することで、損傷した靭帯の回復をサポートします。
- 固定:テーピングや装具を使用して関節を保護し、安定性を高めます。
- 薬物療法:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や湿布薬などを使用し、局所的に痛みや炎症を和らげます。 など
リハビリテーション
捻挫が完全に回復しないまま関節に負担をかけると、再発しやすくなります。保存療法とあわせてリハビリを行い、しっかりと関節の機能を回復させることが大切です。
- ストレッチ:関節の柔軟性を維持・向上させ、機能回復と再発防止を目指します
- 筋力トレーニング:関節周囲の筋肉を強化し、安定性を高めます など
手術療法
重度の捻挫や、保存療法で改善が見られない場合に検討されます。靭帯再建術や関節鏡視下手術などがあり、症状や部位によって適切なものを選択します。
※他院へのご紹介となります
捻挫したら
「捻挫した」と思った際には、以下の初期対応を行ってください。これらはそれぞれの頭文字を取って「RICE処置」と言います。
RICE処置は、捻挫だけでなく、打撲や肉離れ、骨折などの急性外傷の受傷時に広く適用できます。あくまで応急処置ですので、怪我をされた際は、RICE処置を行ったうえで、できるだけ早めに当院へご相談ください。
RICE処置
- Rest(安静):損傷部位を動かさないようにします
- Ice(冷却):氷や氷のうを使用して、腫れと痛みを軽減します(※)
- Compression(圧迫):包帯で軽く圧迫し、腫れを抑えます
- Elevation(挙上):損傷部位を心臓より高い位置に上げ、腫れを軽減します
※冷やしすぎると凍傷になるリスクがありますので、タオルで包む、氷のうを使うなどしてください
注意事項
捻挫だと思っていても、実際は骨折や靭帯の完全断裂の可能性もあります。特に以下のような場合は、必ず医療機関を受診してください
- 激しい痛みや腫れがある
- 体重をかけられない(足の捻挫の場合)
- 関節の変形や異常な動きがある
- 時間経過でも症状が改善しない、または悪化する など