オスグッド病について(発育期の膝の痛み)
本日は成長期の膝の痛みについてのお話です。
「オスグッド病」といえばピンとくる人がいるかもしれません。または、中高生時代にこの疾患で悩まされた方もいるのではないでしょうか?
では説明していきます。
<概念>
オスグッド病(Osgood-Schlatter病)は、発育期のスポーツ障害として代表的な疾患です。脛骨粗面に痛みや圧痛を伴い局所の腫脹を有することが多いです。単に成長痛と捉えられ、根本的な原因のオーバーユース(使い過ぎ)に目を向けることがなく軽視されがちです。子供たちのスポーツ競技力向上に大きな影響を与えることもあり長期的離脱、最悪の場合は競技変更やドロップアウトに至るケースもあり決して軽く見てはいけません。
治療のポイントは、早期発見、早期安静による保存治療が原則です。
<病因>
脛骨粗面は成長の過程で部位による力学的強度の違いにより骨端軟骨板を損傷する剥離骨折が生じやすくなります。すなわちオスグッド病とは、脛骨粗面が力学的に弱い時期に、大腿四頭筋の収縮による牽引力が同部位に繰り返し運動負荷をかけることにより炎症、部分的剥離、微小裂離骨折が生じて発症するとされています。
<症状>
オスグッド病は10-14歳の発育期男児のスポーツ選手に多く女児では男児より1-2年発症が早い傾向にあります。主な症状は脛骨粗面部の圧痛、運動時痛、腫脹です。この部分の隆起が著しいと正座などの際に床に接するだけでも疼痛を生じます。症状は個人差がありますが、レントゲンなどで確認できるほどの遊離骨片を形成するような場合は3-6か月程度運動を休止することも少なくありません。一般的に脛骨粗面の骨化が終了すれば症状は消退しますが、遺残変形が強い場合はさらに長期にわたり症状が遷延する場合があります。
<診断>
単純レントゲンで脛骨粗面の不整像、軟骨性隆起や遊離骨片を認めることが多いです。発症初期にはレントゲンでは脛骨粗面の変化をとらえることが困難でMRI検査を要する場合があります。圧痛がある場合はMRIに異常所見があることがほとんどです。
<治療>
①保存療法
オスグッド病と診断された患児にはスポーツの休止または別メニューのトレーニングを指示します。重要なのは患部の安静です。局所のアイシング、非ステロイド系消炎鎮痛薬の外用や内服なども使用します。
②手術療法
原則保存療法で改善しますが、身長の伸びが終息し、残存組織の炎症や滑液包炎などで痛みが持続する場合は遊離骨片の摘出が行います。
<予後 再発予防>
自分で押してみて痛みがないかどうかをセルフチェックし、大腿四頭筋のストレッチを習慣づけることが大切です。大腿四頭筋の緊張を日々チェックしマッサージなどで回復させてもよいでしょう。同じ伸展機構障害である膝蓋腱炎へ移行しないよう注意する必要があります。
以上、オスグッド病について簡単にまとめてみました。
本日は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。
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