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手・肘・腕の痛みから考えられる疾患
手根管症候群
手根管症候群は、手首の手根管内で正中神経が圧迫されることで起こる疾患です。手のしびれや痛み、脱力感などの症状が現れ、特に親指から薬指にかけて強く感じられます。夜間に症状が悪化することが特徴的です。主な原因は、手首の使い過ぎや外傷、妊娠、糖尿病などの全身疾患が挙げられます。
頚椎症性脊髄症(頚椎症)
頚椎症性脊髄症は、変形した椎間板や靭帯などが、頚椎(首の骨)の中にある脊髄を圧迫することで症状を引き起こす疾患の総称です。首の痛みやコリだけでなく、手足のしびれや歩行障害など、全身に影響を及ぼす可能性があります。加齢による頚椎の変性が進むと、脊柱管狭窄や椎間板の変形、骨棘(とげ状の骨)形成などが起こり、これに姿勢や外傷などの要因が加わって発症します。
頚椎症性神経根症
頚椎症性神経根症は、頚椎の変性により神経根が圧迫されて起こる疾患です。症状は圧迫された神経根の支配領域に一致して出現し、首から肩、腕にかけての痛みやしびれ、筋力低下などの症状が現れます。
狭義には骨棘が原因のものを頚椎症性神経根症と言い、加齢のほか、外傷や過度の運動などが発症の引き金になる可能性があります。
ばね指
ばね指は、指にある屈筋腱とその腱鞘の炎症により、指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなる疾患です。指を曲げる際に引っかかり感があり、強制的に伸ばすとバネのように跳ね返る感覚があるため、この名前が付いています。
主な原因としては、指の過度な使用や反復動作などが挙げられ、特に手を使う仕事や家事(キーボード操作や洗い物など)、ゴルフ・テニスなどの手を使うスポーツ、ピアノなどの楽器演奏がリスクとなります。
橈骨頭骨折・橈骨頚部骨折
橈骨頭は、前腕骨の肘側の末端部に位置し、肘関節の屈伸と前腕の回旋に重要な役割を果たしています。ここの骨折は、肘を伸ばして強く手をついて転倒した際などに発生しやすく、肘関節部の骨折では比較的よく見られます。
肘の痛みや腫れ、可動域制限などの症状が現れ、程度によっては手術が必要となる場合もあります。骨粗鬆症がある場合はより骨折しやすくなりますので、注意が必要です。
胸郭出口症候群
胸郭出口症候群は、首から腕にかけての神経や血管が圧迫されることで起こる疾患の総称です。首や肩の痛みのほか、圧迫を受けた部位によっては手や腕のしびれ、痛み、脱力感、冷感などの症状が現れることもあります。
肘部管症候群
肘部管症候群は、肘の内側を通る尺骨神経が圧迫されることで起こる疾患です。小指と薬指のしびれ、肘関節部の違和感、痛みなどの症状が現れます。肘を曲げた状態で長時間過ごすことで症状が悪化することが多いです。
主な原因は、肘関節の炎症(変形性肘関節症など)や外傷、脂肪腫、血管腫、骨軟骨腫などが挙げられます。
テニス肘・ゴルフ肘・野球肘
テニス肘・ゴルフ肘・野球肘は、肘のオーバーユース(使い過ぎ)によって肘周囲に生じた痛みのことを指す俗称です。同じ動作の反復によって、肘の関節や筋肉に炎症や断裂が生じることで発症します。
テニスやゴルフ、野球などの特定のスポーツを行っている方に多いことからこれらの名称が付いていますが、日常生活での反復動作でも起こる可能性があります。
つき指
つき指は、指の関節を支える靭帯が損傷する疾患です。指の痛みや腫れ、可動域制限などの症状が現れます。ボールなどが指先に当たることで起こりやすく、スポーツ時の事故で多く見られます。
突き指だと思っても、場合によっては骨折を起こしている可能性もありますので、安易に自己判断せず、整形外科の受診をおすすめします。
ヘバーデン結節
ヘバーデン結節は、指の末端関節(DIP関節)に生じる変形性関節症の一種です。関節の腫れや痛み、こわばり感、変形などの症状が現れます。主に中年以降の女性に多く見られます。主な原因は加齢による関節の変性ですが、遺伝的要因や過度の関節使用も関与すると考えられています。
関節リウマチ
関節リウマチは、関節の滑膜(※)に炎症が生じ、徐々に関節を破壊していく自己免疫疾患です。両手足の関節(指・手首・足首)の痛み、腫れ、こわばりなどの症状が特徴で、体の両側対称に現れることが多いです。
原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や細菌・ウイルス感染が関与していると考えられています。
(※)関節を覆う薄い膜