骨粗鬆症とビタミンD
久しぶりに骨粗鬆症関連のお話になります。最近コロナワクチン関連の話題が多かったのですが今回は専門の整形外科分野の内容となります。
骨だけでなく神経系や免疫系にも重要な役割を果たすと言われているビタミンDですが、日本人においては幼児、若年世代、高齢者世代と全ての年代でビタミンD不足の割合が多いと報告されています。サプリメントで補充すれば事足りるかというとそうではなく、ビタミンDは脂溶性ビタミンであるので体内に蓄積して過剰となる可能性があります。
充足している方まで一律にサプリメントなどでビタミンDを補充すべきではありません。ビタミンD治療の難しさは血中ビタミンD濃度の測定の難しさにあります。
そもそも、ビタミンDは紫外線が皮膚に当たることで体内で合成されます。しかしながらこのビタミンD合成量の正確な把握が現状ではできません。その理由は刻々と場所によって変わる紫外線量の把握ができないためになります。
さらに血中ビタミンD濃度は体重や皮膚の色によっても左右されます。そのためビタミンD不足かどうかは採血をして血中の25(OH)D値を計測することで判断します。
この値は、くる病や骨軟化症の診断の際にも参考となります。さらに腎機能やカルシウムの値なども総合的に評価し、日常診療の骨粗鬆症治療に当たっています。
(参考文献 坂本 優子;血中25(OH)D濃度を紫外線からの合成量と食事摂取量から推定するツールの開発を目指して:The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.6 No.3 2020.112-113)
さて、いよいよむつみクリニックのスタッフにも医療従事者用のコロナワクチン接種の機会が与えられました。既にスタッフは幾人か接種しているようですが私はもうしばらく後に打つ予定です。最近クリニックにもコロナ疑いの患者様が来院される機会も増えてきています。(もちろん一般患者様とは動線を分け、別口で案内していますのでご安心ください)
当院のPCR検査数をみても、体感的には大阪の感染者数が減っている印象は全くないのですがこのまま前週比で低下傾向のまま落ち着いてくれることを願うばかりです。
当院でのワクチン接種に関してもワクチン入荷日程が分かり次第窓口で予約開始についてお知らせする予定ですので今しばらくお待ちください。
宜しくお願い致します。
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