今回は内科的なお話となります。
高齢者の心不全についてになります。
心不全という言葉に馴染みのない方もおられるかもしれません。
心不全とは、心臓の機能(心臓はポンプのような役割りを持ち、全身に血液を送り出す働きがあります)が悪くなり、最悪死に至るほど悪影響を及ぼす病態の事です。
主な症状としては、息切れ、むくみ、胸痛などがあります。
以下に心不全の分類表を載せています。
患者毎に進行の程度はさまざまですが加齢は最大の要因で、高齢になると心不全を発症しやすくなります。もちろん高齢者だけでなく若年の方であっても心疾患をお持ちの方などは心不全に陥る可能性、またはすでに陥っている場合もあります。しかし今回は高齢者に対しての話をしていきましょう。
加齢が要因となることは上で述べましたが、高齢者にとって心不全の進行を遅らせてステージBまでに止まることが大切です。そのためには日頃から体を鍛える(定期的な運動 足腰を鍛える)、バランスの良い食事、しっかりとした咀嚼などが予防になります。これはつまり以前ブログ記事にも挙げたフレイルにも関係することでもあります。
加齢とともに足腰が弱り、物忘れも多くなり内臓機能の低下、併存疾患の増加を認めることが多くなります。フレイルになってしまうと体の衰えとともに、人との関わりが疎遠になり日常生活も不規則になってしまいます。また必要な栄養が取れず、結果的に滑舌も悪くなり誤嚥による肺炎を起こしやすくなります。
下記に日本医師会が提案した日常生活の改善例を挙げていますので今日からでも取り入れてみましょう。生活習慣の改善は始めるのに遅すぎることはありません。また息切れ、動悸、平地歩行での疲れやすさなど気になる症状がおありでしたら是非かかりつけ医へご相談ください。
日常生活の改善
- 塩分はほどほどに控え、血圧を上げない
- 体を動かし、筋肉量を保ち、歩く速度が落ちないようにする
- 好奇心を持ち、できる限り社会参加し行動力を持つ
- 栄養を適切にとり、標準体重を維持する(やせすぎに注意)
- 歯と歯茎を大切にし、口腔内の衛生を心がけ噛む力や舌の力を保つ
本日は以上です。