本日は小児のコロナウイルス感染症について現状における報告、研究内容をまとめた医学的知見に基づく情報を共有したいと思います。最新の11月11日付の資料になります。
以下、要旨をまとめていきます。
- COVID-19患者の中で小児が占める割合は少ないが感染拡大に伴って割合が増えてきた
- 学校や保健所におけるクラスターは起こっているが社会全体で見ると少ない。多くは家族からの感染である
- 小児は成人と比べて感染しにくい可能性が示唆された
- 小児COVID-19症例は成人例と比べ軽症であり死亡例はほとんどない
- ほとんどの小児COVID-19症例は経過観察または対症療法が選択されている
- 小児では抗体が検出されるようになってもウイルスの排泄が続いていることがある
- 他の病原体との混合感染も少なくない
- COVID-19罹患妊婦は非罹患妊婦よりも集中管理を要する可能性が高くなる
- 海外の研究、レビューでは学校や保健施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しい可能性が指摘されている
- 教育・保育・療育・医療福祉施設の閉鎖や大人のストレスが小児の心身に影響を及ぼしており、COVID-19流行による周りの環境変化に関連した健康被害が問題となっている
- 現時点で経母乳感染の証拠はない
- 新生児が重症化しやすいかどうかはまだわかっていない
小児COVID-19の臨床的特徴
全体に症状は軽く、重症例は4.4%,重篤例は0.9%
初発症状は成人と同様だが頻度は少ない。
発熱43.1%(成人は82-98.6%) 咳43.4%(同59.4-82%) 多呼吸/息切れ12.6%(同31%)
しかし一方で、消化器症状は成人と比べて多く下痢6.6%(同2-3.8%) だった。
小児COVID-19の治療
ほとんどの場合、成人と比べて軽症であることから経過観察または対症療法が選択されている。国内小児症例の508登録症例のうち446例は無治療で、それ以外も5例で吸入ステロイド剤、3例で静注ステロイド剤が用いられた程度、抗ウイルス薬を用いた症例はなかった。
(参考サイト;公益社団法人 日本小児科学会)
これらを読んで見ると、喘息の増悪やインフルエンザ肺炎、脳炎に比べて危険性は少ないように感じます。もちろん感染予防、それに対する危機意識を持つ事は非常に大切ですから決して軽んじてはいけないに違いありません。
こういったデータを共有していくことは大事ですね。
本日は以上です。