本日は診療手技についてのお話しになります。
タイトルにあるように「エコーガイド下筋膜リリース」についてですが、なかなかイメージが湧かないかもしれません。
整形外科には、肩痛、腰痛をもつ患者様がたくさん通院されます。
リハビリでの温熱療法、診察室でのブロック注射(局所麻酔薬など)を行い症状が改善する方もいる一方で、改善に乏しい方も一定数おられます。
慢性的な痛みの原因として筋膜性の疼痛が挙げられることもあります。
腰痛の場合は「筋筋膜性腰痛症」と呼んだりしています。また総じて筋膜性疼痛症候群(MPS)と呼ぶこともあります。
筋膜というのは字の如く筋肉を覆っている膜になりますが、この部分が萎縮したり癒着することで痛みの原因になる場合があります。
筋膜リリースとは
筋膜性疼痛症候群(MPS)では異常なfascia(筋膜をはじめとした結合組織)部位を押したりすると痛みやしびれが広がります。俗にいうトリガーポイント、発痛点と言います。
この異常なfasciaは超音波エコーでは白く高輝度に写り、痛みや刺激に敏感に反応しやすく、fascia自体の伸張性や周囲組織との滑走性(滑り)が低下している傾向にあります。
異常fasciaを解消するために様々な方法が試みられています。
(例えば鍼灸、理学療法、徒手療法、リラクゼーション、認知行動療法など)
今回のタイトルにある手技では超音波エコーを利用することで異常なfasciaをより安全かつ確実に解消することが可能になります。
具体的には、27ゲージ、19mmまたは38mmなどの注射針を使用し生理食塩水や局所麻酔剤を異常fasciaに注入します。
この際、エコーを用いて筋膜の癒着部位に生理食塩水を用いることは、生理食塩水自体が人体に無害である事から非常に安心できる一因となります。
治療の期間
通常はある程度の回数を時間をかけて治療する必要があります。痛みを長引かせることで悪循環となり辛い症状や治療効果が乏しくなる可能性もあるため、早期に対応、治療することが大切です。
費用
基本的に自費診療(施設によって異なる)となりますが診察の結果、保険診療(トリガーポイント注射やブロック注射)となる可能性もあるため保険証を持参する必要があります。
以上エコーガイド下筋膜リリースについての話でした。
当クリニックでも上記の手技は可能ですので、ご希望の方はお電話にてお問い合わせください。
【お知らせ】
12月5日(土)
12月18日(金)午前
12月19日(土)
私が整形外科診療を行います。また来年1月以降は毎日整形外科診療を受け付けています。もちろんインフルエンザワクチン接種も可能です。電話予約で受け付けていますのでご利用ください。
また診療日の変更があれば当ブログでお知らせいたします。