すっかり過ごしやすくなってきました。とは言っても昼間は10月とは思えないくらい暑い日が続きます。新規感染者も減っていますがインフルエンザの流行、新型コロナ感染第6波に向けて引き続き、マスク着用、手指消毒、手洗い励行、密の回避、定期的な換気を行っていきましょう。
さて、タイトルにもあるように今回は珍しく「片頭痛」についてのお話です。ちょっとした豆知識程度に読んでみてください。
皆さんにもお馴染みの頭痛といえば「片頭痛」です。他にも群発頭痛、緊張型頭痛、クモ膜下出血による頭痛などもあります。
頭痛で治療を求めて受診する成人女性で最多は片頭痛です。
診断はICHDー3の診断基準に沿って行い、診断のポイントは以下になります。
①ズキンズキンと脈打つ痛みがあり、多くは片側、ひどくなると寝込むほど(じっとしていれば楽)
②気分不良や嘔吐を伴う事が多い
③光過敏、音過敏、臭過敏あるいは光、音、臭いで頭痛が誘発される
④痛みは発作的に症状4−72時間持続し1度治ってまた起こる
⑤閃輝暗点などの視覚異常などの前兆、肩こりなどの予兆を伴う
実際には肩凝りがあるから緊張型頭痛と診断されている片頭痛も多く、片頭痛では頭痛発作時に肩凝りが強くなるし、両側で起こることもあります。
片頭痛は頭痛発作のために学校や会社を休んだり(アブセンティーズム)、勉強や仕事の効率が極端に低下したり(プレゼンティーズム)して患者本人が辛いのみならず社会的損失も大きくなりがちです。2005年に京都で開催された国際頭痛学会総会では片頭痛のアブセンティーズムが日本全体に与える経済的損失は2878億円(男性786億円 女性2092億円)との試算が発表されました。2021年には片頭痛治療予防薬が日本でも使用可能となり片頭痛治療にとって大きく変革を迎える可能性があります。
本日は以上となります。
(参考文献 頭痛診療のコツ 橋本 洋一郎 月刊保団連 2021.9 No1353 40-44)