骨折

骨折とは?

骨折とは?

骨折は、骨の断裂やひび割れなど、骨の構造に損傷が生じた状態を指します。外力や過度の負荷によって骨の耐性を超える力が加わることで発生します。

骨折の程度は軽度なものから重度なものまで様々で、完全に骨が折れる「完全骨折」や、骨にひびが入る「不全骨折」などがあります。また、骨折部位の皮膚が破れて骨が露出する「開放骨折」は特に重症な骨折の一つであり、さらに感染症のリスクも伴うため注意が必要です。

骨折だとはっきり自覚できなくても、大きな衝撃を受けた際は医療機関の受診が頭によぎるかと思います。しかし、軽度な捻挫や打撲だと思っていても、実際には骨折が生じているケースもありますので、安易な自己判断は危険です。

骨折による症状

  • 激しい痛み:骨折部位に強い痛みを感じることが多いです
  • 腫れ:炎症によって損傷部位が腫脹します
  • 内出血:皮下出血による内出血(青あざ)が現れます
  • 変形:骨の位置がずれることで、外見上の変形が生じることがあります
  • 機能障害:骨折部位の動きが制限されます
  • 感覚異常:神経が損傷した場合、患部やその先の部位にしびれや麻痺が生じることがあります など

骨折の原因

  • 転倒や衝突などの直接的な外力
  • スポーツ中の過度な負荷
  • 骨粗鬆症などによる骨の脆弱化
  • 骨への繰り返しの負荷(疲労骨折) など

骨折を起こしやすくしてしまう骨粗鬆症

骨密度を低下させ、骨を脆くしてしまう病気である骨粗鬆症になると、転倒などのわずかな衝撃でも骨折を引き起こす可能性があります。骨粗鬆症は中高年以上の女性に多く、発症にはホルモンバランスの変化が関与しています。症状なく進行するので、早い段階からの対策で予防することが大切です。

大阪市住之江区・北加賀屋のむつみクリニックでは、専門医による骨粗鬆症の治療と予防に力を入れています。特に更年期障害が気になるようになった際は、骨粗鬆症のリスクも意識して早めの対策を心がけましょう。

詳しくはこちらをご覧ください。

骨折の治療

保存療法(外固定)

軽度から中等度の骨折に対して行われる治療法です。骨折部位を外部から固定し、自然な治癒を促します。

  • ギプス固定:石膏やプラスチック製のギプスで骨折部位を固定します
  • ギプス副子(ふくし)法:プラスチックの添え木を使って骨折部位を固定します
  • 装具療法:コルセットやカラーなどの専用の装具を使用して骨折部位を保護します など

手術療法(内固定)

重度の骨折や、保存療法では十分な治療効果が得られない場合に行われます。

  • プレート固定:金属製のプレートとネジを使用して骨を固定します
  • 髄内釘:骨の中に金属製の棒を挿入して固定します
  • ワイヤー固定:細い金属線を使用して骨を固定します
  • 創外固定:皮膚の上からスクリューやワイヤーを挿入し、創外固定器で固定します。開放骨折(複雑骨折)の治療や、すぐに手術ができない場合の仮固定として用います など

リハビリテーション

骨折部位の機能回復と再骨折の予防を目的としてリハビリを行います。骨折部位や治療後の経過によって異なりますが、骨折後数日から数週間後に開始し、数週間から数か月程度かけて続けます。

  • 関節可動域訓練:関節の硬化を防ぎ、柔軟性を維持します
  • 筋力トレーニング:骨折周囲の筋力を回復させます
  • 歩行訓練:安全な歩行方法を習得します など

骨折したら

骨折が疑われる場合は、受傷後に以下の初期対応を行ってください。これらはそれぞれの頭文字を取って「RICE処置」と言い、骨折による炎症と損傷拡大の軽減が期待できます。

RICE処置は、打撲や捻挫、肉離れなどの急性外傷の受傷時に広く適用できるため、覚えておくとよいでしょう。ただし、あくまで応急処置ですので、怪我をされた際はRICE処置を行ったうえで、できるだけ早めに当院へご相談ください。

RICE処置

  • Rest(安静):損傷部位を動かさないようにします
  • Ice(冷却):氷や氷のうを使用して、腫れと痛みを軽減します(※)
  • Compression(圧迫):包帯等で軽く圧迫し、腫れを抑えますト
  • Elevation(挙上):可能であれば損傷部位を心臓より高い位置に上げ、腫れを軽減します

※凍傷になるリスクがありますので、氷や保冷材は直接患部に当てず、タオル等で包むようにしてください

注意事項

骨折は外傷の中でも特に重大であり、適切な治療を受けないと後遺症が残る可能性があります。以下の点に注意してください。骨折の治療には時間がかかりますが、適切な治療とリハビリテーションにより、多くの場合で完全な回復が期待できます。

  • 骨折を自己判断で治療しようとしないでください
  • 高齢者の場合は骨粗鬆症などにより骨折のリスクが高いため、日ごろからの転倒予防に努める必要があります
  • 完治までの期間を守り、医師の指示に従ってリハビリテーションを行ってください
  • 開放骨折などの重症例の場合は、特に迅速な処置が必要です。救急車の要請もご検討ください など
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