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腰・背中の痛みから考えられる疾患
腰痛症
腰痛症は、腰部に痛みを感じる症状の総称です。痛みの性質や部位は様々で、ぎっくり腰(急性腰痛)のように特定の原因が特定できない「非特異的腰痛」と、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症のように特定の疾患による「特異的腰痛」に大別されます。
腰痛の多くは原因が特定できないため、症状や経過、画像検査の結果から的確に痛みにアプローチする必要があります。痛みの放置や誤った治療は、症状の悪化につながりかねませんので、腰痛にお悩みの際は、整形外科専門医のいる大阪市住之江区・北加賀屋のむつみクリニックへご相談ください。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、腰椎の変性により脊柱管(神経の通り道)が狭くなり、神経が圧迫される疾患です。腰痛や下肢のしびれ、歩行時の痛みなどが特徴で、長時間の歩行や立位で症状が悪化するものの、止まって休むことで改善する傾向があります(間欠性跛行)。主な原因は加齢による脊椎の変性ですが、先天的な要因や外傷なども関与します。
坐骨神経痛
坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫されることで起こる症状です。腰から臀部、太もも、ふくらはぎ、足先にかけての痛みやしびれが特徴的です。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因で発症することが多く、姿勢や動作によって症状が変化します。長時間の同じ姿勢や急な動きで悪化することがあります。
腰椎すべり症
腰椎すべり症は、腰椎の一部が前方や後方にずれることで疾患です。症状は腰部脊柱管狭窄症と似ており、腰痛や下肢のしびれ、歩行障害(間欠性跛行)などが挙げられます。しかし、進行すると下半身の動きに支障をきたしたり、排泄障害を引き起こしたりもします。
加齢による靭帯の弛緩や椎間関節の変性などが主な原因となりますが、先天的な要因や外傷のほか、下記の腰椎分離症の進行なども関与します。
腰椎分離症
腰椎分離症は、椎弓部(腰椎の後方部分)に分離(疲労骨折)が生じる疾患です。過度の運動や反復動作による椎骨への負荷が主な原因で、特に成長期のスポーツ選手に多く見られます。
運動時に生じる腰痛や背部痛が特徴で、進行すると安静時にも痛みが生じることがあります。徐々に日常生活に支障をきたすようになるほか、上記の腰椎すべり症(分離すべり症)へと進行する可能性もありますので、早期発見と適切な治療が重要です。
側弯症
側弯症は、脊柱(背骨)が左右横方向に湾曲した状態で、主として小児期に見られる脊柱変形のことを指します。軽度の場合は症状がないこともありますが、重度になると背中の痛みや呼吸困難、見た目の変化(肩・腰の高さの非対称)などが現れます。
原因不明の特発性側弯症が多いですが、先天性のものや神経・筋疾患に伴うものもあります。
化膿性脊椎炎
化膿性脊椎炎は、細菌感染により脊椎や椎間板に炎症が生じる疾患です。激しい腰・背部痛や発熱、全身倦怠感などの症状が現れ、進行すると手足のしびれなどの神経症状を伴うこともあります。
主に原因となる細菌が血流に乗って脊椎に運ばれることで感染します。糖尿病や悪性腫瘍(がん)、透析治療などによって免疫力が低下している方に起こりやすい傾向があるので、注意が必要です。
転移性脊椎腫瘍
転移性脊髄腫瘍は、他の臓器のがんが脊椎に転移したものです。脊椎に生じる腫瘍の多くがこのタイプで、中高年以上の方や、がんの既往歴がある方に生じます。
徐々に強くなる痛みが特徴で、夜間や安静時にも軽快しないことが多いです。腰や背中の痛みとして自覚するケースが多く、がんの性質上、発見が遅れると治療が困難になることもあります。何気ない腰痛・背部痛にこの病気が隠れている可能性もあるので、早期の診断が重要となります。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板が突出し、脊椎内の神経を圧迫する疾患です。腰痛や下肢のしびれ、痛みなどの症状が特徴で、労作時の衝撃で症状が悪化することがあります。主な原因は加齢による椎間板の変性ですが、不適切な姿勢や急激な動作、外傷なども誘因となります。
ヘルニアの中でも特によく見られ、長時間の立ち仕事をされている方、中腰の姿勢が多い方、重たいものを持つことが多い方などに好発する傾向にあります。
脊椎圧迫骨折
脊椎圧迫骨折は、脊椎の椎体が圧迫されて潰れた状態です。特に腰椎で起こりやすく、急激な背部痛や腰痛などが現れます。基本的に背骨はよほど大きな力がかからない限り骨折しないのですが、加齢や骨粗鬆症によって骨が脆弱化していると骨折しやすくなります。
そのため、脊椎圧迫骨折は閉経後の女性や高齢者に多く見られます。QOL(生活の質)低下や続発性の脊柱変形につながる可能性があるため、骨粗鬆症のリスクを踏まえた予防と早期治療が重要です。