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骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症は、骨の中のカルシウムやタンパク質などが少なくなることで骨密度が低下し、骨がもろくなる疾患です。これによって骨の内部構造が劣化し、骨折のリスクが著しく高まります。
明確な自覚症状がないにもかかわらず、背骨など重要な部位の骨折を引き起こしかねないのが骨粗鬆症の怖いところで、要介護・寝たきりの間接的な原因になることもあります。早期発見が重要な疾患ですので、骨粗鬆症について正しく知り、早期の対策を行うことが重要です。
なぜ骨がもろくなるのか?
形成された骨は、血液との間で絶えずカルシウムのやり取りを行っています。血液中のカルシウムが不足すると、骨から溶かして補充し(骨吸収)、逆にカルシウムが余ると骨に沈着させます(骨形成)。これを「骨代謝」と言い、それぞれ専門の細胞が担当し、様々なホルモンによって調節されています。
健康な状態では、骨吸収と骨形成のバランスが保たれていますが、加齢や閉経後はこのバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回るようになります。その結果、骨がどんどん痩せていき、骨の内部構造が劣化して骨の中の柱のような構造が細くなったり、断絶したりすることで、骨がスポンジのようにスカスカになるのです。
骨折しやすい部位とそれによる弊害
骨粗鬆症では、以下の部位で骨折が起こりやすくなります。特に背骨や大腿骨のような重要な骨が折れてしまうと、姿勢や歩行をはじめとした動作に大きな支障をきたします。
また、転倒時のわずかな衝撃でも容易に骨折が起こるようになります。特に咄嗟に出した手首の骨が折れてしまうのは、骨粗鬆症患者によく見られる症例です。また、大腿骨頚部(足の付け根)の骨折は、寝たきりの主要な原因の一つにもなっていますので、骨粗鬆症の方は治療と同時に転倒防止にも配慮する必要があります。
- 脊椎(背骨)
- 大腿骨(股関節)
- 手首 など
骨粗鬆症の原因
- 加齢による骨量減少
- 閉経によるエストロゲン(女性ホルモン)の減少
- カルシウムやビタミンDの摂取不足
- 運動不足
- 喫煙や過度の飲酒
- 特定の薬剤の長期使用(ステロイド剤など) など
女性に骨粗鬆症が多い理由
女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、骨吸収を抑制する働きがあります。エストロゲンは骨代謝にとって重要な要素の一つなのですが、更年期(45~55歳ごろ)以降になると急激に分泌量が減少します。骨粗鬆症が中高年以上の女性に多いのはこのためなのです。
エストロゲンの減少によるホルモンバランスの変化は、骨代謝以外にも心身に様々な変化をもたらします。これがいわゆる「更年期障害」であり、更年期障害を自覚するようになったら、将来的な骨粗鬆症も意識したほうがよいでしょう。
受診の目安
骨粗鬆症は、初期段階での自覚症状に乏しいため、「静かな病気(サイレントディジーズ)」とも呼ばれます。しかし、着実に進行していきますので、定期的な骨密度検査によって予防に努めることが大切です。
なお、進行すると以下のような症状が現れることがありますので、その場合は早めに当院へご相談ください。
- 身長の低下(3cm以上)
- 背中や腰の曲がり
- 慢性的な背中や腰の痛み
- わずかな衝撃での骨折
- 息切れが多い
- よく便秘になる
- 胸焼けが多い など
骨粗鬆症の検査
症状の現れない骨粗鬆症の診断には、定期的な検査が重要です。大阪市住之江区・北加賀屋のむつみクリニックでは、骨粗鬆症に対する専門的な検査・治療体制を整えています。
詳しくはこちらをご覧ください。
骨粗鬆症の治療
一度低下した骨密度を回復させるのは困難です。そのため、骨粗鬆症の治療では、予防と進行抑制を目的としています。
薬物療法
骨粗鬆症治療のメインは薬物療法であり、主に以下の薬剤から患者様お一人おひとりの背景(骨折歴や閉経の有無、骨密度、骨代謝のバランスなど)を考慮して適切なものを処方します。
- ビスホスホネート製剤・SERM(選択的エストロゲン受容体作動薬):骨吸収を抑制
- 副甲状腺ホルモン製剤:骨形成を促進
- 活性型ビタミンD:骨代謝を改善 など
※骨粗鬆症の治療薬について詳しくは、こちらをご覧ください
生活習慣の改善
骨粗鬆症の予防には、正しい生活習慣を整えることも大切です。これらは糖尿病や高血圧、肥満などの生活習慣にも通じるところがあり、事実、糖尿病や慢性腎臓病などは、骨粗鬆症による骨折リスクを高めることが明らかになりつつあります。
つまり生活習慣を整えることで、骨粗鬆症と生活習慣病の両方を予防することが可能ということです。生活習慣の改善についても、当院へお気軽にご相談ください。
- バランスの良い食事(カルシウム、ビタミンDの積極的な摂取)
- 骨に刺激を与える適度な運動(ウォーキング、筋力トレーニングなど)
- 日光浴
- 禁煙、節酒 など