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小児整形とは?
小児整形では、乳幼児から思春期までの子どもの骨や関節、筋肉、靭帯などの運動器系の症状・疾患を専門とします。成長過程にある子どもの体は、大人とは異なる特性を持つうえ、体の成長を見越した治療とケアが必要ですので、通常の整形外科疾患とはやや異なるアプローチが要求されます。
大阪市住之江区・北加賀屋のむつみクリニックでは、先天性の疾患から成長期に発症する障害、スポーツによる怪我まで、幅広い症状に対応します。早期発見と適切な治療が、お子様の健やかな成長と将来に大きく影響するため、気になる症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
小児整形で診る主な症状・疾患
先天性股関節脱臼
先天性股関節脱臼は、生まれつき股関節の骨頭が臼蓋(受け皿)から外れている、または外れやすい状態を指します。症状としては脚の長さの違いや股関節の可動域制限などがありますが、痛みや動かしにくさを訴えることはほぼなく、歩き始めてから姿勢や歩き方の異常で発見されることが多いです。
適切な処置により正常な股関節の発達が期待できます。
先天性内反足
先天性内反足は、足が内側に曲がり、底面が内側を向いた状態で生まれてくる先天性の足の変形です。早期からのギプス療法や装具療法が主な治療法となり、多くの場合で良好な結果が得られます。治療を行わないと歩行障害につながる可能性があるため、出生後早期からの適切な管理が重要です。
側弯症
側弯症は、小児期に見られる脊柱変形のうち、背骨が左右に湾曲した状態のことを指します。軽度の場合は症状を伴わないことが多いですが、重度になると背中の痛みや呼吸困難、見た目の変化(肩・腰の高さの非対称)などが現れます。定期的な検診と、必要に応じた適切な治療介入が、将来の脊柱変形を予防するために重要です。
骨端症
骨端症は、成長期の子どもの骨端線(※)に生じる障害の総称です。代表的なものにオスグッド病(膝)やシーバー病(踵)があり、成長に伴う骨と筋肉のバランスの崩れや、スポーツによる過度の負荷が原因となります。
痛みや腫れなどを伴うことがあり、しばしばスポーツ活動に影響を及ぼします。成長とともに自然軽快することが多いですが、適切な休養とリハビリテーションを主とした管理によって、将来的な影響を予防します。
なお、症状こそ似ていますが、成長痛とは異なります。お子様が痛みを訴える場合は、成長痛だと思い込まずに、お気軽に当院へご相談ください。
(※)骨の末端部にある軟骨領域。成長期に見られ、それを過ぎると成熟骨となり消失する
オスグッド病
オスグッド病は、成長期の子どもに多く見られる膝の障害です。大腿四頭筋が膝蓋骨を強く引っ張ることで、運動時に膝の痛みが生じるのが特徴で、成長期における骨と筋肉の成長速度の不均衡と、スポーツによる膝への過度の負担が主な原因となります。
症状としては膝の痛み、腫れ、熱感などがあり、特に10代の活発な男子に多く見られます。基本的には一過性の疾患で、成長期が過ぎると軽快することが多いです。しかし、成人後に膝に強い負荷がかかった際に痛みが生じる「オスグッド後遺症」として残ることもあるので、適切な治療は不可欠です。
シーバー病(踵骨骨端症)
シーバー病は、主に成長期の子どもの踵に生じる障害で、踵の骨(踵骨)の骨端部に炎症や軟骨の剥離が起こり、痛みを伴います。主な原因はスポーツ活動による踵への過度の負荷であり、10歳前後の男子に多く見られます。スポーツ全般で生じる可能性があり、片側の足に起こることが多いです。
踵の痛みが主な症状です。痛みが強い場合は歩行に影響が出ることもあります。治療には、適切な休養とストレッチ、踵のクッション性を高める靴の使用などが効果的です。成長とともに自然に症状が改善することが多いですが、適切な管理が重要です。